「莉胡?」
周防先生が目の前に。
私を心配そうに覗き込む。
そんな先生と視線が絡む……。
先生は私の両肩に手を掛け、
「莉胡!?莉胡??莉胡!!」
私の肩を軽く揺すって…。
目の前にポタポタと垂れる血を見てハッと我に返る。
「せっ、先生っ!!大丈夫ですか!?」
ケガをしている腕に手を添えて…
「大丈夫。大したことない」
心配を掛けまいと優しい笑みを浮かべて。
“大したことない”なんてウソに決まっている。
こんなにも……出血してるのに。
すると、周防先生の背後から…
「レイシ―、口説いてる所悪いが俺もいるんでな」
見上げると木戸先生が…。
いつにも増して力強い視線を向けて来る。
「おいっ!!お前、いつから居たんだ?」
「えっ!?」



