さっき、建物前で“血”みたいな雫が頬に垂れたハズ。
それを右手で拭ったハズなのに…。
手が……汚れてない!!
確かに、色が付いてたしヌルッとしたのに。
……何で?どうなってるの!?
一気に身体が震えあがり、痺れている足までもが更にいう事を利かない。
階段から転がり落ちないように…。
必死に手すりに縋り付く。
すると、またドクンと激しく脈を打つ心臓。
もう……本当にどうなってるのよ。
無我夢中で屋上を目指した。
漸く外へ出る扉の前まで来ると…。
扉がほんの少しだけ開いている。
!!!!!
………誰?……あの人達…。
扉の隙間から……男が2人。
何やら言い争っている。
1人は黒っぽいマントを羽織り、長髪の男。
もう1人は白っぽいロングケープのような服を纏った金髪の男。
?????
ん? んん!? んっ!!?
あっ!!……あの2人!!



