君の隣で夢みた未来

車が発車するのと同時に、改札口の方へと足を向けた。


緊張したけど、楽しかった。


何より、あの空気が好きだった。



「…と思わない?実子!聞いてる?」


「え?」


「だぁからぁ~、安西先輩と美咲さん付き合ってるのかなぁ?って言ったの」



付き合ってる…?


あたし、緊張しすぎてそこまでわからなかった。


そもそも付き合うとかってよくわからないから、どんな空気か?とかも正直よくわからない。



「え?実子気付かなかったの?」


「何が?」


「安西先輩、美咲さんのこと‘つんちゃん’って呼んでたの」


「…気付かなかった」



花月が言うには、過去の話をした時に途中で先輩が「つんちゃんはさ~」と言っていたらしい。



「普通、先輩後輩だけだったら言わなくない?先輩側が言うならわかるけど、後輩側が言うのって相当仲良くなきゃさ~?」


「ふぅん…」


「今度、会った時聞いてみる?」


「…えー、やめようよ」



付き合ってるか付き合ってないか。


そう言うのってさ、あんまりズケズケ聞かないほうがいいんじゃないのかなぁ?


デリケートな部分じゃん。


今、現在付き合ってるならいいけど…


もし、過去のことだったら…。


そうしたら、あの空気崩れちゃうかもしれないじゃん。



「でもさ!」


花月は定期券をカバンの中を探しながらこう言う。