君の隣で夢みた未来

俺はタンタンタンと軽やかに階段を下り購買の前を通り教室へ戻る。


昼休みの教室はなんだか賑やかだった。


特に女子の声が、そこを華やかにさせているようだった。



「ね!相変わらず綺麗だったね~」


「大人っぽくなかった?」


「あー!ぽいぽい!」


隣の席の昼ごはん中の女子達がやけに騒がしかった。


俺はつい、口を挟んでしまった。



「どうかしたん?」


その女子達は理由を快く教えてくれた。



「安西、覚えてる?美咲先輩」


「いや、覚えてるでしょ。超仲良かったし」


「今日ね美咲先輩来てるんだよ!さっきね教室の前通ったの」



それでか。


この賑やかさの原因は彼女が巻き起こしていたんだ。



「らしいね。さっきメールで言ってた」



この会話を聞き耳立てて居たんだろう。


他の奴らが余計に騒ぎ立てた。



「え!お前、美咲先輩の連絡先知ってんの?お前らまだ付き合ってんの?」


「付き合ってねぇし」



めんどくせぇ…。


俺は迂闊に言葉を滑らせた自分を恨んだ。


美咲さんが卒業してからは、めっきりこの噂は流れなくなったけど、今、自分で火を付けてしまったのがわかった。



「お前、マジで言ってんの?」


「そうだけど」


「お前ら、たまに二人で居るの見るぞ。だからてっきり…」



くだらねぇな。


恋愛感情なくったって二人で合うことぐらいあるだろうよ。


俺が唯一、弱音とか愚痴とか言える人なんだから…。