君の隣で夢みた未来

―キーンコーン…カーンコーン…



物思いにふけっていると10分なんてあっという間だ。


授業終了のチャイムが五月蝿いほどに響いた。


俺は大きく伸びをして、すくっと立ち上がった。


アスファルトに長時間座っていたせいだろう、腰が少しだけ痛い。


俺は喉が渇いたから、音楽室に行く前に購買へ行こうと思った。



「けーーーい!」



俺が数歩進んだ時、少し遠くから呼び止められた。


その少しだけハスキーな声の持ち主はパタパタとこっちへ駆け寄ってきた。



「3時間目いないと思ったら、またサボり?」



こいつは同じクラスで席が隣の、なな。


2年の時からクラスが一緒で仲は良い方だと思う。



「サボりじゃねーよ。自主休講」


「一緒じゃん」



ななは笑いながら俺の肩をぱしっと叩いた。



「授業でね、課題プリント配られたから。けいの机の中入れといた」


「あー…サンキュ」


「意外と多いよ?サボりがちなけいには難しいかもねー!」



ななは「いひひ」と言わんばかりに笑い、こう続けた。



「その課題終わらせて提出しないやつは夏休み補習だってさ」


「マジか!」


「そ!受け取ってあげただけ感謝してくれていいよ」


「はいはい。あざーっす」


「感謝たりねぇー!じゃ、4時間目はちゃんと授業でなよ!後でね」



ななはヒラヒラと俺に手を振る。


それもヒラヒラと手を振り返す。


『後でね』か…。


母ちゃんか。


あいつは。