君の隣で夢みた未来

そのあと、私と翔はどんな話をしたかはよく覚えていないけれど、頬が痛くなるほど笑った。


翔が笑わせてくれていたようにも思う。


あっという間に終電の時間が迫っていた。



「会計するか」



そう言う翔はカウンター越しの店員さんから伝票を受け取った。



「いくら?」



私は覗き込むようにしていたら、翔に伝票でぺちん!と額を叩かれてしまった。



「俺が呼び出したんだから、奢るよ」


「えー。いいよ。三千円出すよ」


「いらんよ」



翔の言葉を振り切り私は小ぶりのバッグから財布を出し、三千円をテーブルに置いた。



「三千円は貰いすぎだから、二千円で」



翔はそう言って、一枚のお札を私に渡してきた。



「いいのに…」


「黙って受け取れ。可愛くねぇな」


「知ってる」



どうってことないやり取りで笑いあう私達。


気心知れてるって気分がいい。


やっぱり、壁を作っていたのは私の方かも知れなかった。