君の隣で夢みた未来

どの位の時間が経っただろうか?


注文したものが少しずつテーブルに並べられている。


一杯をゆっくり飲む翔に対して、私は既に三杯目に突入していた。



「飲むペース早くね?」


「そう?普通じゃない?」


「その割には顔真っ赤だけど…」


「いつもの事~」



元々、アルコールに弱い私。


少し飲んだだけですぐに顔が赤くなってしまう。


ただ、それでもいつもに比べて飲むペースが自分でも早く感じた。


そして、それを見ていた翔が吐き捨てるように言った。



「お前、潰れたら捨てて帰るからな」


「そこまで飲まないから平気」


「…ならいいけど」



私はお皿の上に寂しく残っているつくねの櫛に手を伸ばし、それを口へと運んだ。



「…ていうかさ、ひどいよね『捨てて帰るからな』って」


「だって、めんどくせぇじゃん」


「ぐさって刺さるよね」


「…ごめん」


「女の子に向ける言葉じゃないよね」


「ごめんって」


「…悲しい」


「ごめんなさい」



素直に謝ってくる翔がいつもよりも愛くるしく思えた。


この短時間で私は何度、声を出して笑っただろうか。


ケラケラと笑う私を見て翔は頬杖をついて微笑んでいる。


一つしか年が違わないはずなのに、こういう余裕ぶっている笑みを見てしまうと、何故だか【大人のオトコ】だと感じてしまう。