君の隣で夢みた未来

なんだか、久しぶりだった。


なんでもない事に笑ったりすることが。


グラスに口を付けながら翔は優しい目をしていた。



「さぁ!翔ちゃん面白い話!」


「鬼か。お前!」



私はわざと口をへの字にしてみせ、翔の手元に視線を落とした。


ごつごつした手に丁寧に切りそろえられた短い爪。


女性の手とは全く違うけれど、綺麗な手だと思った。


圭介も綺麗な手をしていたけれど、それとは違う手だった。



「…美咲?」


「ん?」


「どうした?」


「…いや。別に」


「本当に怒ってるのかと思った」



そう言うと翔は少しだけ安堵したように見えた。