君の隣で夢みた未来

はぁ…と大きく息を吐き、深く息を吸う。


私の大好きな音楽室の空気を体に入れる。


当時の私の席で机に突っ伏して窓の外を眺める。


そよそよと風が吹いているのだろう。


正面にある小さな山の木々が揺れている。


次に私がこの景色を見るのはいつになるのだろうか?


この席から見るこの景色を目蓋の裏に焼き付ける。



その時、閉めたはずの扉が開く音がした。


私は音のした方を向く前に、最近は携帯越しに聞く声が私の耳に届いた。



「美咲さん?」


「…圭介」



私の可愛い可愛い弟分の圭介。


2コ下の可愛い後輩。



「よくわかったね。ここに居ること」


「好きでしょ?音楽室」


「そうだけど…」


「ここに居なかったら図書室かと思ってた」


「さっき行ったよ?図書室」



お互いの事は多く喋らなくても大体はわかる。


私と圭介


気が付いたらお互いの事喋らなくても、お互いの事なんとなくわかるようになった。



「ねぇ、弾いてよ。俺が好きなやつ」



圭介の好きなピアノ曲を弾く。



「これさ~…タイトル知ってる?」


「知ってる。前、教えてくれたじゃん」