君の隣で夢みた未来

そう、私はあの日圭介に言ったんだ。


―なかったことにしよう。


どうして、そんなことを言ったのか今もわからない。


だけど、それと圭介の涙は関係しているのかも私にはわからなかった。



「…俺は、忘れたふりは出来たけど…なかったことには出来なかったよ」



圭介の口から零れ落ちた言葉。


その言葉に私は、少し嬉しく思ってしまった。



「でも、それと私が居なくなることが、どう関係してるの…?」



私がそう尋ねると圭介は再び口を閉ざした。



「ねぇ、圭介。私は居なくならない。前にも言ったでしょう?」


「…だけど、きっと…つんちゃんは居なくなる気がするんだ。俺の目の前からも、俺の心の中からも」



圭介の瞳は真っ直ぐと真っ暗な海へと向けられていた。


どうして、そんなこと言うの?


不意に私の目の奥が熱くなるのを感じた。



「勝手に決めないでよ」



その言葉を吐き出すのが私の精一杯だった。