君の隣で夢みた未来

あたしは再び改札口を出て、先輩に会ってしまわないかと不安になりながら階段を下り美咲さんを待つ。


近くには喫煙所とかもあって少し怖かったけれど、もうすぐ美咲さんが来ると思えば何だか心強かった。



―パッパー



一台の車が軽くクラクションを鳴らした。


音の鳴った方へ視線を送ると初めて会った日と同じ車の窓から美咲さんが笑顔であたしの名前を呼んだ。


あたしはパタパタと車へ近づき助手席の窓が開いて、「乗って」と美咲さんが言ってくれた。


なんて言ったらいいのかわからなくて「お邪魔します」とだけ呟いて助手席に乗り込んだ。



勢いで美咲さんを呼び出した形になってしまったから、なんて話しかければいいのかわからない。


ただ、車で流れている音楽があたしと美咲さんの沈黙を繋いでいるように思えた。



「なんか、適当な格好でごめんね」


「え…?」


「ちゃんといつも通り化粧してもよかったんだけど、実子待たせちゃいけないと思って」



運転しながら話す美咲さんをまじまじと見た。


確かに、今日はいつもと違う。


黒いタイトなタンクトップにエスニック調の不思議な模様のゆったりしたパンツに黒いシンプルなビーチサンダル。


足には真っ赤なペディキュアが施されていて、今日の美咲さんは‘綺麗’と言うより‘かっこいい’そんな言葉がよく似合う。


髪型はあたしと同じお団子だけれど、ラフに作られている美咲さんのそれは、はみ出している後れ毛ですら様になっているように感じた。