これは夢なんかじゃなかった。


…俺、今、何をした?


俺の目の前で固まる、あの子。


目の前のあの子の顔はみるみる赤くなって行った。



俺は館内に響いてしまうくらいにガタン!と大きな音を出してしまったと思う。


椅子から落ちてしまうんじゃないかという勢いで俺はその子から離れた。



顔を真っ赤にしながら口元を抑える、あの子。


何やってるんだよ…俺。



俺はため息交じりに、こう言った。



「…ごめん」



と。