君の隣で夢みた未来

だけど、そんな不安はすぐに消え去った。


先輩は一つ空いているはずの椅子に移動してきてくれて、あたしの課題プリントに目を通す。



「これ?」



あたしに優しい声で問いかける。


あたしはこくりと首を縦に振った。



先輩はプリントの余白にさらさらと何かを書いていた。



「この公式見たことある?」



なんとなく授業中に見たことのある文字の羅列だった。


だけど、どんな時に使えばいいのかさっぱりわからない。




「ん~、本当に苦手なんだな」



そう言って笑う先輩。


そして、こう続けた。



「英語得意?まぁ、得意っていうか好きだよね。きっと。」


「はい」


「数学なんてね、英語より覚えることがずっと少ないんだよ」


「…。」


「文章問題で難しく聞こえるだけだけど、この公式さえ覚えちゃえば、ここまでのページ全部解けちゃうんだよ」



ぺらぺらとプリントをめくって印をつけてくれた。



「…でも、難しいです」



あたしが、こう言うと先輩は諭すように言う。



「やってみないとわからないよ?」



そして、やっぱり優しく微笑んでくれる。