君の隣で夢みた未来

先輩が、いいよって。


授業中よそ見しててよかった。


じゃなかったら、こんな偶然なかったもんね。


先輩が数学得意でよかった。


あたし、数学嫌いでよかった。


今まで窓越しでしか見てなかった先輩と少しずつ距離が近づいた気がした。



そんなことを考えていたら、突然、現実に引き戻された。


数学資料室。


あたしが持っていた大きな荷物は先生の手によってひょいと持ち上げられた。


先生は自分の机をガサゴソと探し1冊の問題集を手に取り、近くにあるコピー機で印刷していた。


―…ガコッ…ガコッ


何枚印刷するのよ。


何回も同じ行動を繰り返し、先生はホチキスで一箇所留めて、あたしに差し出した。



「これな。プレゼント」



悪戯っ子のように「ニッ」と笑っていた。


なにがプレゼントよ。


単なる課題じゃない。


鬼!