君の隣で夢みた未来

たった10分の通学路がなんだか、今日はとても長く感じた。


あたしと花月は1年の下駄箱へ。


先輩は3年生の下駄箱へそれぞれ向かい上履きに履き替えた。



「じゃ、またね」



先輩はそう言って、1階にある自分のクラスへと入っていった。


先輩が教室へ入ると華やかな声が聞こえた。


やっぱり人気者なんだ…。


あたしたちは自分の教室を目指し階段を上った。



「実子ぉ」


「ん?」


「…そっけなさ過ぎ。先輩のこと苦手?」


「え…」



苦手じゃない。


良い人だと思う。


1年のあたしたちの顔を覚えてるだけで声かけてくれたんだもん。


今までは遠くから見てるだけだったから、なんだか緊張してしまったのだ。


花月は溜め息混じりに「ちょっとは愛想よくしないと損するよ」と溢した。


愛想がない事ぐらいわかってる。


あたしは花月とは違うんだ。


友達にそんな事を言われてあたしはなんとなく悔しかった。



「次からは…気をつける」



あたしにはそう答えるのが精一杯だった。