外はまだ夜だったーーー・・・




妖の妖力を上げる満ちた月が昇る。




俺は座天使・スローネにこの身を変えた。




憶えたての詠唱を唱える。俺の足元に現れた魔法陣。瞬間移動の陣形。



眩い光が全身を包み込む。



そして、俺の身体が魔法陣に吸い込まれてゆく。移動先は吉原神社。




夜は就寝しているはずの黄泉人たちで犇き合っていた。




「スローネ…いい所に来てくれた…」



デュミナスが剣を振りかざして、黄泉人たちを殲滅していた。



「セラフは??」



デュミナスは急に悲しげに目を細めた。首を横に振った。



「…銀狼に食い殺された…」