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俺が前世、初めて晴明様に出会った時のコトを脳裏に浮かべた。


わが妹君…『一の姫』は父の計らいで宮仕えに上がった。そこで一人の公達に恋心を抱いた。


しかし、その公達の結婚を訊き、その相手のご婦人にその道に通じる者に命じ、呪詛を送った。




その呪詛は返され、妹は床に臥した。



妹が自らの罪を悔い改めて…呪詛の強さは弱まっているものの、禍々しい空気に依然と包まれていた。




父は都一の陰陽師・安部晴明様を邸宅に招いた。