弟の滋弥に運転を任せて、帝居を出た。



「兄上…あの紅の炎は何でしょう?」



「…あの焔には天の力を感じる…あれが智成様の言う…天使の魔の力か・・・」



街には警官隊が出動し、非常線が張られていた。



交通渋滞が起き、車を捨て、逃げる連中もいた。




「ダメです…兄上…これ以上は車では進めません」




「たくっ…刻一刻と黄泉人たちは増殖していくのに、こんな所で油を売っている場合じゃない!」



「では、兄上だけでも、早く、現場に向かって下さい!俺は後から参ります」



「わかった」



俺は滋弥を車内に残して、降り立った。