「俺は帝居を守護する義務があるから。一緒には行けない」



「それは承知しています。此処は最後の砦…砦を守護する智成様の方が大変だと思います」


「気をつけて行ってくれ…尭耶」



「はい」

尭耶さんは私を置いてモニター室を出て行く。




「待って!!」



私は尭耶さんを追い駆ける。



このまま、会えないかもしれないーーー・・・



そんな万丈の想いが胸の奥からこみ上がってくる。




「栞…どうして、そんな悲しい顔をする?」



「だって…」




「心配するな…俺はきっと…お前の元に戻ってくる。信じろ」




「・・・」



尭耶さんは優しい声で嗜めると私をやんわりと抱き締めた。




「尭耶…さん」



「取り込み中…失礼しま~す」


明るい声の主が私たちの間に入り込んできた。