「さぁな。でも、多分…街だ…」



智成様はモニターをジッと見つめる。




「では、俺も…智成様…栞を護ってください…」



「分かった。俺が栞ちゃんを護ろう…」


「俺たち上級天使と中級天使は、創造神様の天なる力と冥府神様の魔の力を持ち合わせていると訊きました」


「…一つだけ…抜けている力がある。女神の浄化の力だ」



「・・・」



「その力が最も必要な力だった…永きに渡り…陰陽の世界では妖や怨霊たちを浄化せずに封じてきた…本来ならば…浄化して封印しなければばならなかった。だから、世界は淀んでしまった。その為に…『陽女神』は存在したはずなのに。俺が『陰陽庁』に就任するまで代々の彼女たちに封印浄化をさせなかった。歴史から作り出された…男尊女卑の思想からだろうと思う。今の『陽女神』である小笠原の妻は妊娠中で力を使えない。
だから…彼女の血を使い…小笠原は封印浄化をしている」