陰陽庁の地下室もパニック状態だった。



鳴り止まない警笛の音。



「どんどんと暴動の範囲が広がっている…智成様…早く、ご命令を」
小笠原が押し黙る智成様の指示を煽り立てる。



モニターに映される映像は暴動化した人間たちが普通の人間たちに襲いかかる場面ばかり。




「…俺には何が起きているのか…分からない」



智成様は目の前で起きている出来事が信じられない様子だった。




「これが銀狼の言っていた…黄泉人…」



「黄泉人?」



智成様は栞の呟きにすがさず反応した。