朱の籠の中から愛染を救えない無力な己。



愛染との恋には未来がなかった・・・



人の欲望の堕ちた俺は堕天使…



上級天使の威厳などない。




俺に天使の力など不要だった。だから、愛染に力を授けた…





俺は栞から座天使の力を返してもらった。



俺の腕の中で眠る栞。



眠っている栞は少女そのもの。俺に抱かれ、仔猫のように啼いていた栞は女そのもの。



そんな危うさが俺の心を煽っていく。



俺の小笠原と同じで、世界の滅亡とかそんなコトじゃなく、唯、愛する者を護りたい…そう思った。