俺はセラフに案内され、建物の中に入った。



目の前には見た人を圧巻する大きな四神獣の絵画が飾られている。




2階まで吹き抜けで、六角形の明かり窓からは夕映えの光が降り注いでいた。




「!?」


俺の目の前に現れたのは小笠原だった。


黒の詰襟のスーツ、襟元と開閉部分には深紅の縁取り、白い大理石の床を黒の革ブーツの踵をかき鳴らしながら近づいてきた。



「…派手に銀狐とやり合ったらしいな」



「まぁな。でも、取り逃がした…宇都宮社長…貴方も天使のようだ、な」



「自覚はないがそうらしい」