GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~

* * *


今朝観たテレビの天気予報は夜半過ぎから雨だと言っていた。


時々、予報は外れるけど…今夜は予報通り、漆黒の空から絹糸のような雨が降り出した。

ガラス越しに雨を見つめる。

「雨か…今夜は客足、鈍いかもな」



「店に顔、出しますか?」



「今夜は帰る…」

「そうですか・・・」


「表に車を回せ…靖」



「はい」



俺はポールスタンドに掛けたコートを手に取る。