咄嗟に小笠原さんが私を抱き締めて、衝撃を和らげてくれた。




「大丈夫か?」



「はい」



「…その女を渡せ!!小笠原知弥…」



「…くそっ…鬼の力を使うしか手立てはなさそうだな…」



小笠原さんは私から離れて、腰に提げた鞘から2本の剣を引き抜いた。



「…我が身体に眠る鬼よ。目覚めよ!!急々如律令!!」




小笠原さんの銀色の綺麗な髪が紅の髪に変化した。頭には牛のような角。




「お前は…鬼神!!?」



「…我が名は緋月(ヒヅキ)。貴様を倒してやる」