男が案内した先は古めかしい教会だった。



周囲の建物とは違いこの教会だけが、時代に取り残されたように浮いていた。



「…こちらです」



彼が先に階段を上がり、私を教会の中に誘っていく。



扉は重たく鈍い音をさせながら開いた。


床も腐りかけのなのか私たちの足音でギシギシと軋む。


祭壇の後ろには十字架。天窓のステンドグラスに零れる昼間の陽光がキラキラと踊るように輝いていた。