「見るな…」



床、壁、天井…至る場所に大量の鮮血が飛び散っていた。



鉄錆に似た匂いは血の匂い…




靖は血まみれの姿で、キッチンスペースの床にうつ伏せで倒れていた。



「栞お前は外に出ていろ!」



俺は栞を部屋から出して、死んでいる靖に近づく。




俺も靖の惨殺死体に気分が悪くなっていた。



喉の奥からこみ上げる吐き気を必死に堪え、近づく。



「!?」


床の上には靖が絶命寸前に、自分の身体から流れ出る血で書いた思われる文字が記されていた。




『天使』



天使?靖の残したダイイングメッセージの意味は理解できなかった。