・これはminneの体験を基にしたお話です。
 名前などは、架空の人物です。


   
 「いいなぁ~。奈津は」  
  私の、親友の優菜がいきなりしゃべった。

 「えーなんで?意味が分からなぁい」

 「だってさぁ、奈津、男子からいっつもチヤホヤされてるから・・・」
     
 「あのねぇ、モテるってのは大変だよ・・・。 だから
   モテない女子っていいなぁって思うんだよねぇ・・・」

  そんな、話で盛り上がっていると、学年1モテる男子
  いわゆる、王子様系男子の博哉が、私たちに近寄ってきた。

 「ちょっと、奈津借りていい?」
  またぁ!!言われなくても分かってるのに、どうせ告白でしょ・・・。
  はぁ・・。 面倒くさい・・・。

    
 「はいはい。どうぞ。レンタル料は無料だから!!」
  優菜は、少しあきれながら、にやけながらそんな事を言って、
  行ってらっしゃいと、私の背中を押した。

  しばらく、2人で並んで歩いていた。
  どのぐらい歩いたんだろう・・・?

  ようやく、足が止まった。人通りが少ない場所で少し怖かった。

     
  そのまま、10分ぐらいの沈黙が続いて・・

  「なんか、ごめんな」

   先に、口を開いたのは博哉だった。

  「ううん。べっ別に気にしてないよ。」
   本当は、早く帰りたくてイライラしていた。

  「俺、奈津の事が好きなんだ。・・・だから、俺と付き合ってくれ!」
   そう言って、深々と頭を下げた。

  「・・・ごめん。私、まだ彼氏とか欲しくないし、それに、博哉の事
   よく分からなくて。・・・だから、友達としてならOKだよ。」

  「あぁ・・・。そうだよな。変なこと言ってごめんな。今の事は忘れてくれ・・」

   本当、ごめんね・・・。
 
  「あ!じゃあさ、修学旅行は同じ班になってくれないかな?」
   おもってもいない言葉だったから、一瞬考えた。
   それくらいなら、いいかな。
 
  「うん!!いいよぉ。よろしくね♪」


   その日から、私と、博哉は友達になった。