夏に、恋をした。



「…ないよ」


女子とまともに喋ったことすらないのに。



「…楽しいし、なんかドキドキするし、でも好きとかはわからん…」



姉ちゃんは冷凍庫を漁り、アイスを取り出した。

…それ俺のなんだけど。


「好きなんじゃない?」


軽く言われた。



この姉ちゃん、暴君だがなぜだかモテる。

恋愛経験豊富なのだ。



「難しく考えるもんじゃないしね。」