夏に、恋をした。



素直に心に入ってくる。



「…ありがとう、桜田」


いつの間にか、涙も止まっていた。



「…恋したいな」



そんなこと、普通に言えるようになったのは桜田のおかげ。


桜田が少しびっくりしながらあたしを見る。

「桜田はしないの?」

そう聞くと、う〜んと曖昧な答え。


「テニスさえできればいいって感じで、あまり興味ないんだけど…」


――ズキッ