夏に、恋をした。



「嫌いになんか、なれるわけない」



一度は好きになってしまった人を嫌えるわけがない。


「やっぱ、杉宮は優しいよ」


頭をぐりぐりと撫でられた。

間近で見る桜田の笑顔。



――――なんか、可愛い…



「大丈夫。男が皆、そんな奴だとは限らない。むしろそういう奴のが少ない」


頭ではわかってても、心が受け入れなかったことを、桜田は言ってくれた。