夏に、恋をした。



「普通、あんなに寂しそうな顔しないだろ?」


「…え?」

「最初に屋上で会った時、杉宮が気づく前からいたから」



少し気まずそうに言われた。

――――あたし、そんな表情してたんだ…



「…優しかった。色んなことを教えてくれた。あたしにとっては初めての彼氏だったし。」



だから、溺れた。

それが先輩にとって邪魔だった、とわかったのは別れてから。