それとも、 「先輩がそんな人だって知りたくなかった…!」 嬉しさ――? 「…優しいのは、杉宮だよ」 少し上から降ってきた言葉。 桜田は背が低いから、視線が近い。 「……?」 優しい? あたしが? 「だってさ、裏切られたのに、先輩を嫌いにならないんだから」 ばれた。 あたしが先輩を嫌いではないこと。