夏に、恋をした。



「…たまたま、芹菜…あ、友達ね」


ん?と桜田は首を傾げたが、気にせずにあたしの話し聞いた。

「うん」

無愛想な相づち。
だけど、それが桜田なんだろうな。


「芹菜と遊びに行ったところで、先輩と会ったの。横には綺麗な女の人。」


桜田の顔が悲しそうに歪んだ。


「『お前は遊び』って言われた。」


涙が溢れてくる。

振られた時にも、芹菜に言った時にも、流れなかった涙が。