夏に、恋をした。



「…来ると思った」



クスリと笑う杉宮。


その笑い方が妙に大人びて見えてまたドキドキしてしまう俺。



「……?」

「優しいね、桜田は」


優しい…?


俺、なんか杉宮にしたっけ?

教室で話すことは皆無なのに。


杉宮はこっちに歩き出す。



「今度、話し聞いてね」




すれ違いにそう呟いて、杉宮は屋上から出て行った。