夏に、恋をした。





【和樹side】


ふと、部活中に屋上に目がいった。



フェンス越しにテニスコートを見下ろすのが誰かはすぐにわかった。


わかってしまった。


少し長い休みなことをいいことに、屋上にかけ上がる。



生半可な鍛え方をしていないので、4階に位置する屋上にかけ上がるのは簡単だった。


ドアを開けると、いたのは案の定、杉宮。


今度は最初から気づいたらしく、俺を振り向く。