「…杉宮も、何かあるんなら話せよ」 頭を軽く撫でるように叩いてから、杉宮を置いて屋上を出る。 何でかはわからない。 だけど、杉宮らしくないあの表情が気のせいだとは思えなかった。 いや、もしかしたら、あれが杉宮の本当の顔なのかもしれない。 辛そうで、寂しそうな表情が。 一人屋上に残った杉宮が頭を押さえて顔を赤くしていることも知らず、俺は学校を出た。