だけど、それだけで伝わった。 「雪乃のおかげ」 ニカッと笑う和樹。 「…あたしのおかげなんかじゃないよ。和樹が頑張ったから」 そう言うと和樹は首を横に振った。 「試合中、頑張って、って言っただろ。あれで落ち着いた」 「聞こえてた!?」 けっこう小さな声だったはずだけど…。 「なんでか知らないけど。ま、だから雪乃のおかげ」