夏に、恋をした。



突撃したまま、俺の胸に顔をうずめるのは、



「どうした、雪乃」



だった。


いつのまにか俺の肩あたりまでしかない頭。


よく見える肩は、



震えていた。



「雪乃…?」



ここが人通りの少ないところでよかった。

ためらいなく抱き締めれる。


「和樹…、ごめん」


急に謝られ、首を傾げてしまう。