「いやっ!」 残った片手で啓を突き飛ばす。 簡単に手首からは手が外れた。 「…ごめんな、雪乃」 悲しそうに笑って啓は言った。 なんでするの。 こんなことしても何もならないのに…。 啓だってわかってるでしょう。 「意味わかんない…!」 そう言って、あたしは屋上を飛び出した。