夏に、恋をした。



「いやっ!」



残った片手で啓を突き飛ばす。

簡単に手首からは手が外れた。


「…ごめんな、雪乃」


悲しそうに笑って啓は言った。




なんでするの。

こんなことしても何もならないのに…。




啓だってわかってるでしょう。


「意味わかんない…!」


そう言って、あたしは屋上を飛び出した。