夏に、恋をした。



――――ふりはらえない…




男子の力だと実感する。

あたしだったら勝てない力。



「こんな酷いことをしても、雪乃が好きなんだ」



そう囁いて、啓は




あたしにキスをした。




「っ!」


一瞬触れた柔らかいもの。

それが何かはよく知ってる。


したい相手が違うのも、わかってる。


その相手が啓じゃないことも。