「知ってるよ、お前桜田と付き合ってるんだろ…」 力なく放たれた言葉。 和樹とのことを言った記憶はないからきっと和樹と話したのだろう。 「…うん、だから啓のこと好きじゃない」 しっかりと、言う。 啓は真面目に言った。 だからあたしもしっかり返す。 だけど、 「わかってる、雪乃。だけど俺は」 手首を捕まれる。 「!?」 啓の手にあたしを離さないように力がこもる。