夏に、恋をした。






【雪乃side】


「雪乃…」


啓がいつになく真面目な顔であたしを読んだ。

「なに?気持ち悪い顔して…」

そう言うと啓はがっくり肩を落とす。



だって、啓が真面目な顔だなんて似合わない…。



「酷いよな、お前」

「何をいまさら」


あたしが酷いのは啓にだけだけど。


気を取り直したのか、啓は再び真面目な顔になる。


だから、気持ち悪いって。