夏に、恋をした。



「…やれるもんならやってみな」



そう言い返す。

一緒にいた長さは短くても雪乃をとられるわけにはいかない。


「精々がんばれ」


そう言い、小谷は階段を降りていった。



――――その台詞、俺が言うものな気がする…



ふと思うが考えないことにした。

少し間をあけてから、俺も階段を降りる。



雪乃に会いに行きたいけどそんな時間は残ってなかった。