小谷はニコッと人懐っこく笑った。 「俺の方が長く雪乃を見てきたんだよ」 言い返せない。 「……」 黙り込む俺。 確かに俺と雪乃は去年の夏に知り合った。 同じクラスにはいたが、俺は名前知らなかったし。 「お前に雪乃をとられてたまるか」 明らかな宣戦布告。 時間なんて関係ない、と言い切りたいが、言い切れない。