「…敵」 一番ぴったりくる言葉を選んでから立ち上がる。 智は若干顔をしかめつつもふーん、と頷いた。 小谷の所に足早に近づく。 「…なに」 短く用事を聞くと小谷は周りを見回した。 「…ちょっと移動しよう」 そう言うだけ言って歩き出す小谷。 多分、うちのクラスには野球部が多いから気まずいのだろう。