夏に、恋をした。



智が目を見開いて立ち止まった。

今にも手に持ったラケットを落としそう。



「…和樹が、女子と、会話…!?」



酷い…。

俺だって女子と話したりするよ。


「明日は雪だ…」

「今は夏だ」


ちゃんとつっこむべきところはつっこんどく。


「…で、あの女子は誰なんだ?」


しばらく固まっていた智が覚醒した。

こっちからは教室の中にいる人の顔まではわからないのだ。