「おぉ蓮斗!そう言ってくれると信じてたぞ!」
先輩は泣きマネをしながら俺に飛びついた。
「ちょ、先輩…」
「ああ!マジ良かったわー……なあ蓮斗、でもお前何で休んでたの?」
ギクリ……ここでサボりなんて言ったら、周りで話を聞いてるクラスメイトも勿論、女の子からも支持は下がるなー…なんて思いながら俺は紳士的に笑った。
「あれ…?俺、腕痛めてて…顧問の先生にも言ってたんですけど聞いてませんでしたか?」
「そうだったのか…聞いてなかったな、もう大丈夫なのか?」
「はい。でも、今日は何も持ってきてないんで…藤谷の見舞いにでも行きます」
「分かった!藤谷も喜ぶだろうなぁー、それじゃあ明日から待ってるぞ」
先輩は大きく手を振って、スキップしながら帰っていった。
すると、たちまち女が寄ってきて「優しい」とか「頑張ってねぇ」とか言ってくる。
……ばーか…どいつもこいつも、まんまと引っかかりやがって。
俺は1人、ニィっと笑った。
