夜が更けても人の多さは変わらない東京。


「なにも、変わらないな、」




改札を抜けると明るい街。


空を見上げればターミナルが見える。





その視界の先に



「桜の…木、」




あの時、私と深谷さんの時間を見ていた木。
今は枝だけで




「また、二人で見れるかな…」





変わらない街が、


四年もの月日を忘れさせてくれて。





私の心を埋めてくれた気がした。





思い荷物をもう一度持ち直して、歩き出そうとした。