あの春、私と彰太はいつものようにデートの約束をしていて私は待ち合わせ場所の桜の木下のベンチに座っていた。

彰太は2歳上の同じ学校の先輩だった。
頭が良くて運動も出来て優しくてかっこよくて…私の大好きな人だった。


「彰太遅いなぁ…」

待つこと30分。
時間に正確な彰太だったから、心配になり携帯に電話をした。

「もしもし、彰っ…「もしもし、救急隊員の者です。ご家族の方でしょうか?…」」

彰太は信号を無視してきたトラックに跳ねられそうな子供を突き飛ばし、自分自身が事故に遭った。